コラム

思春期は「親との決着をつける時」①

2025.10.03

ある日、私の携帯が鳴りました。電話の向こうでTさんは「息子が…」と一言だけ言って、そのまま泣き出してしまいました。落ち着くのを待っていると、「親子関係の講座を受けたいんです。どうしたらいいですか?」と必死な声。とても切羽詰まった様子だったので、「今から来られますか?」と聞くと、「はい、行きます!」とすぐに返事がありました。
しばらくして目の前に現れたTさんは、すらっと背が高く、黒髪を背中まで伸ばしたとても印象的なお母さんでした。夫と3人の息子さんがいて、高校3年生の長男、中学2年生の次男、小学1年生の三男がいます。電話で「息子が…」と言ったのは、高校生の長男のことでした。
長男は高校3年生の1学期に入って、突然学校に行かなくなったそうです。成績はいつも上位で、小学校・中学校でも全く問題がなかった子。「小さいころから物わかりがよく、手のかからない子だったのに…」とTさんは言いました。
急に学校に行かなくなったので、なだめたり叱ったりして登校を促したけれど、息子さんは頑として動かず、ついには部屋に閉じこもり、食事も取らなくなってしまいました。声をかけても返事がなく、Tさんは心配で心配でたまらなかったのです。
私はTさんに「部屋に閉じこもるのは仕方がないとしても、ご飯を食べないのは心配です。食事は部屋の前に置いて、『体が心配だから、ご飯だけは食べてね』と3回くらい声をかけてください」と伝えました。
次の朝、Tさんから「ご飯食べてました!」と弾んだ声で報告がありました。

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