コラム
親が試される「思春期」
2024.04.14
「何よ、その口の利き方。親にそんな言い方していいと思っているの?」「うざい!」
「ちょっと、そのうざいってどういうことよ?」
子どもの言葉一つ一つに反応して、親子げんかになることは思春期にはよくある話で
す。名前を呼んでも返事をしないとか、挨拶をしないとか、あるいは口の利き方が乱暴だ
とか、子どもの一挙手一投足に敏感になって、親はムキになって正そうとします。もちろ
ん正すことは間違ってはいないのですが、思春期の子どもの心性を考えると、そうムキに
ならずともいいのです。わが子も、一歩外に出れば立派なものです。「相手が親だか
ら・・」つまり、甘えられる相手だからこそ、わざと乱暴な言葉を使ったり、強がったり
しているのです。そのような時には「わが子も他人」だと思えば上手く対応できます。
また「子どもの頃はすごく可愛かったのに、あの可愛かった子はどこに行ったの?」
と、どこのお母さんもこんなふうに思うときがあるようです。でも大丈夫!可愛かったあ
の子はまだ健在ですから。ただ今は強がっているだけ。もう少し時間が経てば、また素の
可愛いあの子に戻ります。わが子の刺々しい言葉や荒々しい態度に戸惑うかもしれません
が、こんな時こそ冷静になって、大きな気持ちでドーンと受け止めましょう。そうしてい
る間に、今までよりももっといたわりをもって親を大事にしてくれるようになりますよ。
今はちょっと距離を置いて心配なことも言いたいことも我慢して、子どもを信じ、おおら
かな気持ちで見守ってやりましょう。思春期ほど、親が試される時期はありません。
(文責:野中利子)