コラム
花柄のバンダナ②
2025.10.31
小学生くらいの子のカウンセリングは、大人のように言葉で自分の気持ちを説明できないため、
遊びやお絵かきを通して「何を感じているのか」「本当の気持ちはどこにあるのか」を少しずつ探っていきます。
花菜ちゃんのカウンセリングは、最初は「お母さん大好き」「お母さんみたいになりたい」と、
お母さんを理想化する話ばかりでした。ところが3か月ほど経った頃、心理士が言いました。
「たいへんですよ。今日、花菜ちゃんがお母さんの“嫌なところ”を初めて話してくれました」内容はこうでした。
妹がオモチャを散らかすと、いつも花菜ちゃんが片付ける。でもお母さんは「ありがとう」と言わない。しかも「散らかしたら自分で片付けなさい」と花菜ちゃんには言う
のに、妹には言わない。「ずるい!」と話してくれたのです。
「よかったね。お母さんの悪口をもっと言えるようになるといいね。そしたら髪の毛も生えてくるよ、きっと」
「そうですよね。もうひとふんばりですね!」と私と心理士で励ましました。
その後、花菜ちゃんは「お母さんの嫌なところ」を少しずつ話せるようになりました。本当はレースやフリルのついた服は好きじゃないこと。
でも、お母さんがせっかく選んで買ってくれたから言えなかったこと…。少しずつ本音を見せてくれるようになったのです。
(子どもって、本当にお母さん思いなんですよね)