コラム
矛盾したメッセージを送ってはいませんか?②
2025.06.20
実はこのようなコミュニケーションは、心理学では「ダブル・バインド(二重拘束)」
と呼ばれています。矛盾する2つのメッセージを同時に受け取ると、子どもはどうしてい
いかわからなくなって、不安になったり、親の顔色ばかりうかがうようになったりするこ
とがあります。これは親として本意じゃないですよね。だからこそ、私たちが心がけたい
のは「焦点を一致させた、わかりやすい伝え方」。
たとえば、
「テレビの時間はもう終わったから消すね」
「ここは危ないから、別の場所で遊ぼうね」
「あなたはそう決めたのね」
こんなふうに、シンプルで具体的に伝えることで、子どもは状況を理解しやすくなりま
す。さらに、「条件つきの選択」を事前に伝えるのもおすすめです。
• 「炭酸以外なら、好きな飲み物を選んでいいよ」
• 「このお部屋の中で、1時間だけ自由に遊んでいいよ」
• 「1,000円以内のオモチャなら、どれを選んでもいいよ」
子どもは選択肢があるとうれしいですし、でも枠があることで安心もできるんですよ
ね。「いい親」になろうとしすぎなくていいんです。ついつい「ちゃんとしなきゃ」「良
い親でいなきゃ」って頑張りすぎると、親も疲れてしまいます。そうすると、無意識のう
ちに子どもにプレッシャーをかけてしまうことも。まずは私たち自身が、肩の力を抜い
て、「完璧じゃなくていい」と思えること。そうすることで、言葉と気持ちが自然と一致
して、子どもにもやさしく伝わるようになります。「私、どんな言葉を子どもにかけてい
るかな?」と、ときどき立ち止まって見直してみるのもいいかもしれませんね。
(文責:野中利子)