コラム
矛盾したメッセージを送ってはいませんか?①
2025.06.13
「こぼさないで、早く食べなさい!」こんなふうに声をかけたこと、ありませんか?
実はこれ、よくよく考えるとちょっと矛盾しているんですよね。というのも、「こぼさな
いように食べる」ためには、子どもは丁寧にゆっくり食べる必要があります。でも「早く
食べて」と言われると、焦ってしまって、かえってポロポロこぼしちゃう…。そうなる
と、どっちを優先すればいいの?って子どもは混乱してしまいます。だから、こんなとき
は「こぼさないようにゆっくり食べようね」と伝えた方が、子どもにはわかりやすいんで
す。あるいは、「早く」「急いで」は言わずに、「丁寧に食べようね」とだけ伝えるのも
いいですよね。
それから、言葉と態度がチグハグになってしまう場面って、けっこうあるんです。たと
えば、「あなたの好きにしていいよ」と言いつつ、顔がめちゃくちゃ不機嫌だったり。「勝
手にしなさい!」って言った直後に、子どもが本当に好き勝手にしたら「自分勝手なんだ
から!」と怒ってしまったり。あるいは、「どっちでも好きな方を買っていいよ」と言っ
ておきながら、子どもが選んだものに「え~、そっちにするの?」と残念そうな顔をしちゃ
う。私も昔、つい無意識にやっていたことがあります。こんなふうに、言葉と気持ちが一
致していない「矛盾したメッセージ」は、意外と私たちの口ぐせや態度にひそんでいるん
です。
(文責:野中利子)