コラム
子どもは親の作品 ? ②
2024.08.04
「作品を作るように子どもを育てている」のは、この母親だけではないかもしれませ
ん。親は子どもと一緒に夢を追いかけて、期待をかけながら育てます。それはどの親も同
じではないでしょうか。まるで自分の作品を作るようにね。けれども、親が絶対やっては
いけない事があります。それは子どもを支配し、コントロールしてしまうことです。わが
子を親の価値観に従わせ、親の敷いたレールに乗せ、「あなたのために」という。また有
無を言わせず、命令したりするのも間違っています。親自身は気がついていないかもしれ
ませんが、それは「子どもを虐待している」ことです。
どんなに幼い子どもであっても、人は皆「自我(自分)」を持っています。「私の子ども」
であっても、親とは全く違う「一人の人間」なのです。それにその子にはその子の気持ち
や感情、考えがあります。親から見れば未熟ではありますが、一人の人間として子どもの
気持ちや感情、考えを受け止め、尊重しなければ、子どもは自分自身を生きていくことが
できません。親に虐げられた子どもはいずれ拒食症、リストカット、うつ、あるいは問題
行動などを起こすことも考えられます。どうぞ子どもは親の作品ではないことをしっかり
覚えておいて下さいね。
(文責:野中利子)