コラム
「どうしたい?」を育む子育て ~他者との対話から生まれる自分の軸と選択肢~
2026.08.16
家庭教育は子どもにとって初めての社会の場であり教育の出発点です。
家族との触れ合いを通して、基本的な生活習慣、人に対する信頼感や豊かな表現力、自尊心や自立心、協調性などの生きる力を学んでいくのだと考えています。
教育というと「正しく教え、育てる」というイメージもつきやすいですが、日常の中で大人のしていることを見て学び、家族とのやりとりの中で人との関わり方や基本的倫理観を身につけていくことが家庭教育の大切なところなのだと思います。
そう理解しているはずなのに、私自身、実際の生活を振り返ると、子どもに「よく噛んで食べるといいよ」という私が時間に追われて飲むように忙しなく食事をとっていたり、「椅子に座って食べようね」という自分は食事中に何度も席を立って片手間に食事をしていたりしていました。
言葉で教えることよりも、親がモデルとなり、食事を一緒に楽しんで丁寧な関わりを大切にしていることの方が子どもに届く教えとなるでしょう。
しかし、一人で複数の子を見守っているとなかなか難しい場面も多くあります。
親が二人いる状況であっても、家事を一生懸命にこなそうとするほど基本的生活も丁寧にできず、子どもとの関わりが片手間になってしまうこともあるでしょう。
私自身も子どもを妊娠をしている時に、産院や保健センターで赤ちゃんのお世話の仕方は丁寧に教わる機会がありましたが、子どもが自分の意志を持って言葉で表現をする幼児期からの子どもの関わり方は自分で情報を集めなければいけないのだと実感しました。保育士の経験から育ちのイメージがつき、ある程度は子どもと安心して関われましたが、この仕事をしていなければもっと不安な日々だっただろうと思います。
今はスマートフォンが一つあれば情報は手に入る時代です。
しかし、「これはダメ」「こうした方がいい」というあらゆる発信の中から自分が必要な情報を選択したり、何が正しいのかを選択することは難しく、逆に不安が大きくなってしまうことも多くあるでしょう。
子育てにおいて何を選択して行動するのかは親自身が考えていかなければなりません。
しかし、選択肢を持つためにも家族以外の人との繋がりが大切だと思います。
都市化や核家族化、仕事と子育ての両立の難しさなど様々な要因を背景として家族の孤立化やゆとりのない状況がますます深刻化しています。
選択は様々な考えや意見という【選択肢】があるから成り立ちます。
他者と意見を交換したり理解しようとする場があるからこそ、「自分はどうしたいのか?」が整理されていくのだと思います。
親としてファミリーミーティングで子どもに伝えたい思いを親が社会と繋がることで体現して見せていける社会になっていってほしいと思うと同時に私自身がそうありたいと思っています。
(⽂責:鈴⽊久美⼦)